古い建物の表題登記について

 測量部の田中秀樹です

今回は以前にも書きましたが「建物表題登記」についてです。(昨年末よりよく似た案件が数件続きましたので)
依頼者より「40年ほど前に建物を新築したが登記はしなかった。今般売却するので早く登記をして欲しい。ただ、建築時の建築確認通知書及び工事施工者からの建物引渡証明書は紛失してしまい工事施工者は廃業してしまっている。」とのことでした。
このような場合、建築確認通知書及び建物引渡証明書の代わりとして、申請人からの「上申書(印鑑証明書付)」、建築事情をよく知った証明者2名からの「建物所有権証明書(各印鑑証明書付)」、固定資産税の評価証明書等を提出することにより建物表題登記は可能なのですが、今回の場合建築事情をよく知る証明者2名に署名、捺印をいただくのにご苦労されたようです。
確かに建物新築時は建築費用等にお金のかかることが多く少しでも費用を安く済ませたい気持ちは解らなくもないのですが、新築時であれば登記必要書類(建築確認通知書や建物引渡証明書等)もスムーズに集まり後々登記するよりも費用がかからなかったかもしれません。
また、建物所有者が亡くなっていた場合を考えると、登記ができていない状態ですからすぐに相続登記はできません。相続人が登記必要書類を集めることとなり大変苦労されること思います。
先々のことを考え、登記がなされていない建物があれば早めに登記されるのをお勧めします。