成年後見制度について~ vol 4

 

こんにちは、行政書士の佐野哲也です。
今回は成年後見に関する一例をお伝えします。
(※プライバシー保護の為、詳細は事実と異なります。)
 
依頼者の叔母が脳梗塞と認知症で病院に入院しているのですが、隣人が財産を管理していて通帳などを返してくれない、とのこと。
すぐに書類を集めて親族からの成年後見を申立てしました。調査したところ、自宅はすでにその隣人に売却されていました。自分が死んだら隣人に全ての財産を渡すという遺言書も書いていたようです。
 かなり前から認知症であったのに、はたして本人は自分で遺言書が書けたのでしょうか?自宅を売却するという重大なことを本人は理解して行ったのでしょうか?
不動産の登記簿を調べましたら、隣人はその不動産を得た後すぐに、それを担保にお金を借りていました。
弁護士が後見人に選任された後まもなく本人が死亡しました。本人が亡くなったことによって、全ての追及は打ち切りとなりました・・・。
 隣人はしっかりと面倒を見てくれていたのでしょうか?本人は都合よく財産を取られてしまったのでしょうか?事実は闇の中です。
 
この案件で私が思ったことは、地域の住民同士の交流も重要であるということが
一点、そしてもう一点は、もっと早い段階で成年後見制度を利用していたら、こんなに釈然としない結果にはならなかったのではないかということです。
 
※ 成年後見の申立ては、行政書士ではなく司法書士が書類作成を行います。
 

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